《MUMEI》 高校1年父のところへ行ってから、11年がたった。 私は、16歳になっていた。 私の名前は、桜井 小春になった。 こんなに、みよじと名前が合った人が日本に何人いるだろう。 父との生活が始まっても、私の生活が劇的に変わることはなかった。 母といた時は、色々な事を話していたけど、父とはほとんど何もしゃべらなかった。 それでも父は、母のように私を害には思っていなかった。 私は高校1年生になっていた。 近所のレベルもそこそこの高校だった。 クラスでは、浮いた存在なのかもしれない。 それを望んでいた訳ではない。 きっと成り行きなのだろう。 私は、人から話しかけられても無視したり、知らないと言って見たり 友達も恋人も何も興味がなかった。 中学2年の時に、初めて『告白』された。 その時も、彼氏なんてものに興味がなかったから、あっさりフった。 私は、いつもそうやって人と関係を持たないようにしていた。 関係を持ったら、母と父のようにケンカをすると思っていたからだ。 この生き方を変えるつもりはない。 前へ |次へ |
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