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《MUMEI》 教えもっとお金を、もっと権力を だって、私は選ばれた人間なんだから 何を求めてたのかしらね ずっと、そんなだったわ 今になってわかるわ 貴方に怯えてたのよね いつか、全てをもっていかれる ダメな人間になりなさい、今のうちに叩き潰しとかなきゃ、ってね キモオタだから、都合よかったわ 今の母も、同じよね、きっと あの人は、まだ、目が覚めてない 無理もないわ、他人ですもの 目が覚めたら、全てを捨てなくてはならない それを認めたくなければ 目を覚ましちゃいけないものね 哀れね ノブ言ったわよね、俺が死ぬのを望んでるんだろって？ そうだったかも、知れないわ でも、私には、貴方の代わりは務まらない 毎日、苦労してるわ 見えた手法は、貴方とは違うの 頭を下げ、お願いしますと、物を頼んでます 私に頭を下げられて、上手に出てくる輩は、周りに勝手に潰されてくみたいね それは、ノブ、貴方の影に怯えてよね 独裁的でも、冷酷で身勝手と言われても 結果を出した者には、それなりの処遇をしてきてた 仕事は、結果だけが全て 全て、父の教えよね？ 私は父に、よく言ってたもの こんなに頑張ったんだよ、ってね 父は笑って、次、また、頑張りなさいって ノブ、貴方は違ったものね この資格を取っとけ もう、取ったよ なら、この本を読んどけ わかった、明日までに暗記しとくよ 仕事に付いてこい 父から聞いたわ、一言も話さず 挨拶もせず、まるで、その場に居ないように、その、存在を消し 隅から隅まで、見てたと 勝てるわけがないのよ 頭の作りも、その、意思の強さも、全て凌駕されてるんですもの ハルナさんが、貴方のスイッチを入れたのよね ハルナさんが、恐かった 貴方を、目覚めさせたから 母も、同じよ、きっと まち子が、そう、話してたんだ ……………… 前へ |次へ |
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