《MUMEI》 話し相手席がえをした時以来市村 颯人は、毎日私に話しかけてきた。 この前の休み時間の事なんて忘れているかのように 私はそれを無視し続けた。 ある日、 彼がいつものように話しかけてきた。 「桜井さんさぁ中学の時に告白されたって本当?」 急に何を言い出すのかと思ったら またそんな話か。 「関係ないでしょ。」 いつも以上に冷たく言った。 「え〜気になんじゃん、そういうの。」 「興味本位でそういうの聞き出さないでくれる。」 そう言って、他には何も話すことはないという風に教室を出ていった。 いつもなら、そうやって話しが終わるのに今日の彼は、しつこかった。 私が教室を出ていっても彼は追いかけてきて、 「桜井さん可愛いからその男子の気持ち分かるなぁ〜」 「正直モテるでしょ。」 「・・・。」 何も言わない私を見て少しいじけたみたいに 「桜井さんいつも俺の事無視する。」 それを見て、少し話すか。と思った 「私と話しても面白くないし、昔から男の子嫌いなんだよ。」 そんな事を言ったら、 「でも、桜井さん優しいじゃん」 私がその言葉の意味を考えていると、 彼が、したり顔で笑って、 「俺がいじけたらいつもより、沢山しゃべってくれた。」 私が彼の方を見たら、はじけるような笑顔で彼も私を見ていた。 明日は、彼と何の話しをするだろう。 前へ |次へ |
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