《MUMEI》 覚悟学校に行くのが、初めて嫌だと思った。 颯人の事が嫌いな訳じゃないのに・・・。 どうしたんだろう 学校に着いてしまった。 あとは、教室に入るだけだ。 颯人は私よりも早く学校にくる。 だから、きっと教室には、颯人がいる。 私は、いつもの無愛想な顔で教室の扉に手を かけた。 「小春。」 後ろから、声をかけられた。 聞き慣れた声だった。 振り返ったら、颯人がいた。 「なんで今日、遅いの?」 びっくりしたように聞いた。 「なんとなく」 颯人からは、曖昧な返事が返ってきた。 「・・・。」 2人共それっきり何も話さなかった。 私は、その沈黙が嫌で教室の扉に手をかけた。 「昨日の話し帰りに聞かせて」 いきなり、耳元で颯人が言ってきた。 途中まで、開いている扉を颯人が全部開けた。 颯人が私を追い越して教室に入っていった。 私が、その後に教室に入ったので、颯人を追いかける形になった。 その日は颯人から話しかけてくることはなかった。 前へ |次へ |
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