《MUMEI》

俺、湯船から出て、髪を洗ってたんだ
湯船から出るとき、
二人は勃起した俺のを、マジマジと見てたよな

ん?、イズミが、背中を洗ってくれたんだ

いいよ、イズミ

ん、ねぇ、ノブ兄
アカネ、どうするのかなぁ?

わかんねー、
正直、幼いし、重たい事態だろうしさ
歳の近い、イズミはどう思う?

わかんないけど、
私はお姉ちゃんがいるのが大きいかな
一人じゃないって

そっかぁ

ねぇ、ノブ兄、考えを教えて
ノブ兄は、どう見てるの?
お母さんや、アカネや、私達の事を

お前たちはどう見えてる?
確かに病んでるけど、病じゃないよ
あの人は

私達に見えてることは、表面の今だけなの
なんで、そうなったかとか
どんな思いなのかとか、わからないよ

そっかぁ

それぞれご、身体を洗いながら
世間話しのように、話してたんだ

あの人は、後妻と言うより愛人してた女だからさ
子供も認知して膿ませてたけど
その時に誓約書を書かされてるんだ
神谷の財産分与に、口を挟まないってね
けど、お前たちの母が亡くなり、後妻となった
法的な相続権は生まれるけど、難しい立場なんだよね

なんで、あんな風になったのかなぁ?

……確証の無い話しなんだけどさ
話して良いのか、悩んでる

話して、なにも知らずに困るより
知った上で困りたいの

アサミが言ったんだ

もう少し、考えさせてよ

ノブ兄が、そこまで言うことなら
よけい知りたいわ!

アサミが強く、俺に言ったんだ

感づいてるんだな、アサミ
直感した

黙ってる俺に

お母さんの死と、関係あるの?

アサミの言葉に、覚悟を決めたんだ

俺の母もだけどね

俺の言葉に

殺されたの?!

イズミが聞いたんだ

………わからない、でも、父は、あの人に惚れてなかった
わかるかな?
身体が欲しかったんだよ
セックスしたかったって、事だ

何で、子供を産ませたの?

ん、……言葉につまった

避妊するよね?

アサミが聞いてきた

膿まさないことも、出切るでしょ?

イズミが、言ったんだ

上手な言葉が見つからないよ

おれ、そう言って、身体を流し
風呂から出たんだ

話を、打ち切るように

……………

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