《MUMEI》

軽いイジメを受けてたイズミだけど
アサミの一見以来、無くなったそうだ

アサミも、それなりに、学校生活を送ってる様だった

事実関係が、警察により、明らかになった
少年犯罪だから、公表はされない
だが、関係した加害者は、書類送検されたんだ
成人と違い、家庭裁判所へ

示談も、賠償も求めない
だから、解決はない

加害者の親は、社会的に制裁を受けてはいるが、本人達は、どうなんだろう?

マナブの事を、思い出してた

閉ざされた、自分達だけの価値観
その中での優劣

そんなものなのかもしれないな

けど、俺は、友人らしき者もなく、生きてきたけど
アサミは、違う

イズミもだ、暮らしにくくなったのかもしれないな
学校生活が

誰も、俺に意見はしない

間違ってても、止める者も、居ないんだ

間違ってたのか?

自問自答の繰り返しが、俺の中で、続いてたんだ

それとなく、アサミに聞いてみた

まぁ、疎外感は感じてるけど、神谷の家に生まれたときからだものね

他人事のように、アサミは答えるんだ

なぁに?、煮えくり返らないわね
何が聞きたいの?

俺は、間違ってたのか?!

自分でも、驚く言葉で、アサミに聞いてた

どう、思ってるの?

幼いアサミの言葉に、おののいた気も、した

率直に、思いを話した俺に

……車で送り迎えされてたのが、電車になったのよ
母が、精神疾患だと、噂もされてたし
イジメの対象になる要素はあるわよね?

サラット答えるアサミ

ノブ兄、大丈夫だよ
ノブ兄は、今までの神谷の偉い人と、違うもん
そうやって、自分を見返して、考えてるなら
お母さんみたくはならないし
きっと、お父さんみたくもならないと思うよ

言葉が出なかった

自分でなんとか、したかった
バカな神谷の人達みたくなりたくなかったから………
でもね、ノブ兄が、来てくれたとき
………嬉しかったよ
見てくれてたんだ、気付いてくれてたんだって
悔しい、大切に、してたのに

アサミに抱きつかれた

そっと、抱き締めたけど
掛ける言葉すら、俺にはなくて

ま、男子にされた訳じゃないし
いっかぁ

明るく、俺を見て話したアサミだけど
目が、真っ赤だったんだ

ギュッと、アサミを抱きしめた

神谷の家に生まれた、宿命、か、

……………

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