貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
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ザァァァァァァァァァァァ…。
まるでテレビの砂嵐のような音。外は大雨だ。
「塾行きたくねぇ…。」
ぼんやりテレビを見て呟く少年。楠木幸司、高校三年生。
そのまま幸司はベッドにボフッと倒れて現実逃避した。
外は時折雷が暗闇を切り裂いて轟音を轟かせている。
不思議が事件が起きる約30分前だった。


時代は遡って江戸時代。
「よし、梢!今日の稽古は終わりだ!」
「はい師範!ありがとうございますっ!」
夕暮れの寺に2人の人影。
片方は髷を結い、もう片方は肩ほどの髪を後ろでくくっている。
「しかし梢は良く頑張るのう。他の門下生にも見習わせたいわい。」
師範と呼ばれる男がニッコリ笑う。
「わ、私は他の門下生より遥かに剣の腕が劣っております故、……。」
とても緊張してる様子だ。
「まぁそう硬くなるな。剣は張り合うものではない。守る為に剣を抜けるようになれ。」
梢の頭をポンポンと叩くと、師範は寺の本堂に入って行った。
「少し長居し過ぎたな。早く帰らねば…。」
そう呟くと、梢も帰路についた。
少し雨がちらついている。

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