《MUMEI》 睡眠大好き男と不眠症生徒会長昼休み、俺の三度の飯より大切な睡眠タイムを邪魔するように、校内放送が流れる。 《2年の篠田新太くん〜至急生徒会室まで〜繰り返しま〜す、2年の篠田……》 友達に、何やったんだ?と心配されながら、生徒会室へと向かった。 生徒会室のドアをノックして『失礼します』と声をかけ中へと入る。 『よぉ、来たな!平凡。』 待っていたのは、神様、俺様、生徒会長様。 …平凡って俺の事?まあ、生徒会長様に比べたら、平凡だけどね…。 『篠田っすよ、生徒会長様様様。』 …睡眠タイムを邪魔されて、いささか不機嫌な故、嫌味をかます。 『ふん、様3つとは嫌味だな。』 …あ、ばれてら。 『で、用件は何ですか?』 『お前、いつも寝てるよな?隙あらば…たしかこの前立って寝てたらしいな?』 『あ、まあ…趣味寝ることですからね』 『…教えろ!』 『は?』 『俺様は最近不眠症で眠れないんだ!寝かたを教えろ!』 訳の解らん言葉を吐いた生徒会長様は、強引に俺の手を引き、生徒会室奥にある仮眠室に引きずり込んだ。 ボフン…高そうなベットに放り投げられる。 『どうすれば、平凡のようにすぐさま眠れる?』 ズイッ!と端整な顔を近付けて来る。良く見れば、確かに目の下にはクマがくっきりついて、少しやつれてる感がある。 …しゃ〜ね〜なぁと腹をくくり、考える。 生徒会室の仮眠ベットに生徒会長と俺は横たわり、まずは王道の羊を数える。 『羊が一匹〜羊が二匹……』 『スースースー…』 『平凡、起きろ!』 生徒会長様の激が飛ぶ。俺だけ寝たらしい。 次は絵本の読み聞かせ… 『助けた亀の背中に乗って……スースースー』 バサッ…ゴツン! 『こら、平凡!』 本が俺の手を離れ落ち、生徒会長様のオデコにごっつんこ! 次は子守唄…神童と呼ばれた俺の美声を聞かせちゃる。 『お〜ど〜ま盆ぎりぃ、盆ぎりぃぃ〜盆からさ〜きゃぁ……スースースー』 1分、2分…カチコチ… 『おい、平凡!盆から、どーした?』 平凡、完全熟睡中! 『くっ、自分だけ寝やがって…てか、寝顔は可愛いじゃね〜か、平凡。』 平凡のほっぺに手を伸ばせば、無意識に指をぎゅっ!と握られた。 『くはっ、赤ちゃんかよ?平凡!』 生徒会長に笑みが溢れ、捕まれた指先がほんわか暖かくなる。 ボスッと平凡の胸に顔を乗せ、心音を聞く生徒会長。 『体温高くね?赤ちゃん体温か、平凡』 トクトクトク…ウトウトウト… トクトクトク…スースースー… 数時間後、目を覚ました生徒会長。横には、紙切れ一枚。 《生徒会長様、良く寝てるんで起こさずに行きます。睡眠は大事っすよ!平凡篠田》 『汚ない字だな、平凡』 ボソリと呟いた生徒会長はニマリと笑う。 この一件で晴れて生徒会長様のお気に入りになった平凡篠田新太は生徒会入りする事になる。 役員名『生徒会長の睡眠導入剤』 仮眠室担当として。 『ありえねぇ!』 平凡の激怒の声がこだましたらしい。 おしまい ********* あー長いですね、すみません。こんな感じになりました。 生徒会長様と平凡篠田は、のちのちくっつくと良いなぁと思います。 読んで下さってありがとうございましたm(__)m 前へ |次へ |
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