《MUMEI》

晴れ晴れしい光だ。

俺に立ち込める黒い暗雲とは裏腹に此処が別の地域だと知らされる。
こめかみが痛い。
突然にやってくる痛み、普段はこんなことないのに。





記念館の硝子ケースにうっすら陰る人並みを眺めたり、外の空気を肌に当たらせてみたりした。


独りでふらふら集合場所付近を歩く。




「バスが違う」
乙矢に止められる。


「……あ。」
隣のバスだった。


「崩れそうな表情だな。」
左頬を触れてきた。


「そりゃ、誰かさんと違って整ってませんよ」
あんまり余裕なので皮肉ってやった。


「目で追ってる。」


「何を?」


「……さあね。」
乙矢は珍しく楽しそうに笑っていた。

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