《MUMEI》 竜也は、マナブたちに、マンション一棟を、慰謝料として渡したんだ 夫婦の共同名義だ まだ、新築みたいなマンションだけど、土地は購入してもらう形にした マナブとアキナは、その、家賃で土地の代金を支払うことになる 二人が一緒に暮らすことを選ぶように 急な大金で、人生を狂わさないように 考えたな、こいつ しかも、頭を下げたそうだ 脅迫に近いよな 普通の奴は、ビビるよ 竜也の素性を知ってるなら アキナはマナブに内緒で現金を マナブ、浪費癖があるから お見通しか、竜也…… 中村を、見つけた お前のどこに居た女だろ? スパイだった女か? ………沢田と、繋がってる な?! 後で、詳細を送るよ 自分で、確かめろ ………大輔、か? そうだ ………母の、兄だ! 俺を生んだ母の、兄… どうしたの? 女の子が聞いたんだ ヤバイ、ポーカーフェイスを崩しちまった そっか、なるほどね 冷静に、繕ったんどけど 俺も、両親を殺されてる 若親分だから、なめられてんだろ? お前ほどじゃねーよ なめられてっから、こんなことになったんだろが! ………そうだな ……わりー、怒鳴っちまった ………俺を怒鳴るのは、お前ぐらいだよ ………お代わり 女の子にビールを頼んだんだ 俺もだ 竜也が言った この店で飲んでるのか? ここは、くつろげるんだよ 熊関係の奴がいねーからよ ………なるほどね 素性知ってんだろ、店の子 ん、たぶんな けどよ、二流のホステスばかりだからよ なるほどね 俺達の会話にママさんが 二流ですけど、心得てはおりますわ そう言って、俺達の席に来たんだ 貸し切りにしました 心置きなく、お話しください そう言ったママさんが、ボーイとホステスの何人かを、上がらせたんだ 太っ腹だね、お前に付くぜ 竜也に言った俺に いいえ、そんなことは致しません あなた方のお代は、ちょうだいいたしますけどね ママはよ、親父の愛人だったんだよ そうなの?! いきなはからいだな 竜也さんが、楽しそうに話してるの 久しぶりに見ましたので ………一番高いボトル持ってこいよ ありったけだ …お言葉に、甘えますわ ………計らいには、計らいか 大人だね ビールが、良かったなぁ………しかたねーか …………… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |