《MUMEI》
懐かしき後輩 嵐side
咲嵐…まさか…あの時の…?

「じゃぁ…な」

「え、ぅん…?」

「あ、ストラップ…サンキューな」

嘘だろ…?あの時の…約束の彼女なのか!?

けど、俺は引っ越して、約束は守れそうに無い…そぅ、思ってた…

なのに…目の前にいた関 咲嵐は同一人物なのか!?それとも…

同姓同名…?

いゃ待てよ…?

さくら、ならまだしも、さくら"ん"だぞ!?

なかなかそんな名前いねぇだろ!!

もし…もしアイツがあの時の…約束の彼女だったら…

約束が果たせる…

「昴ぅ」

「え!?あ、えっと…」

「はぁ!?隆堂 匠(リュウドウ タクミ)だよ!!」

「あぁ、わりぃ。で何?」

「いゃ教室かえるぞ?」

「あ、あぁ」

「お前、彼女とかいんの!?」

「あ、…いる。」

「まぢかよ!!」

「あ、あぁ…」

あぁ…いるとか言っちまったよ…

咲嵐の耳に入ったら…

あ、でも俺のこと昴ってしらねーし、大丈夫か。

けど、…もしアイツが…約束の彼女だったら…どうやって…

【迎えにきた】

とか、言うわけ!?

あぁ、こんな悩むとか俺らしくねぇ…

「あぁもぉ!!」

放課後―――――…

「あ、嵐センパーイ」

は?先輩?

「げ、咲嵐…」

「何ですか!?その反応!!」

つか、こいつ朝ためじゃなかった?

「いゃ…」

「この前のお礼したくって!!このあと、時間ありますか?」

「あるけど…なぜ、敬語?」

「幸にこってり絞られたんです。三年に何でためなのよーー!!って。」

その子、しっかりしてらっしゃる。

「あっそ」

「あの、喫茶店で良いですか!?あんまりお金持ってきてないから…」

「お礼とかいいよ。あと、金なら俺が出すから」

「ぃや!!」

「黙れ、俺に逆らうな。後輩」

「ぅヴ…はぃ」

――――…

喫茶店。

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