《MUMEI》
作戦
「ミヨ。今年どうやって渡す?」

「平日じゃもんね」

「うん、学校持っていけたらいいのにね」

「思う、それ」

私はどうしよう?

学校無理じゃけん・・・家に行く?

まぁ、Kのお母さんは私が毎年あげよるのを知っとるんよね。

この前、靴箱で会ったとき・・・。

『あっ、いっつもチョコありがとね』

『え? あっ、は、はい』

という会話をいたしまして・・・。

まさか、直接言われると思ってなかったし、顔を覚えてもらっていたこの嬉しさ。

あぁ、どうしよう。

でも逆に恥ずかしいなぁ、言われた後って。

だって、『私は、あなたがKを好きなことを知っていますよ』って言われたようなもんでしょ!?

うわ〜、緊張する。

今年はどうやってチョコを渡すか、綿密に作戦を立てておかねば・・・。

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