《MUMEI》
誤解 昴side
「…私だけの…ヒーローになってください。」

…は?

告白…?

「先輩が…好きなんです。」

イコールあの約束はどうでもいいと?

「先輩にずっと好きな人がいるのは知ってます。私も…居ました。けど、私もう16で、彼もきっと約束を…」

「悪い。応えれない。じゃ、」

「先輩!!まっ」

俺がもし他の男だったら?

あの約束は…果たせねーじゃねーかよ。

「俺だけかよ…約束を果たしたかったのは。」

うわ…俺ダッセー…

―――…

休日明けの俺は物凄く気分を害していた。

「おはよー♪この前はどうだった?」

「最悪」

「は?何で」

「コクられた。」

「だったら何で!?」

「咲嵐は俺のこと昴ってしらねぇ。つまり彼奴からしたら、俺は転校生。約束を忘れて他の男にコクるなんて…」

「だったら、もぅいっちゃえば?俺が昴なんだって」

「バァカ。言えるか!!今さら信じてもらえっかよ…」

「俺は咲嵐ちゃん信じると思うけど?」

「どうかな…」

幸も同じこと謂った…

けど、あと二ヶ月…

18になるまで。

「18までとか意地張ってっと、咲嵐ちゃん居なくなっちゃうぜ?可愛いからさ。」

「…けど、約束は約束だ」

「お前はどうなの?」

「何が?」

「咲嵐ちゃんのこと。」

「どうって?」

「好きなのかって聞いてんだよ。」

匠のいつになく真剣な顔…

「…あぁ。好きさ、愛してる…」

「…あの約束抜きでどう思う?」

「…好き。」

「咲嵐ちゃんも、同じなんじゃねーの?」

「だけど…」

「だったら、幸に聞くか!」

「…おぅ…」

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