《MUMEI》

母親の元へ送り届けたとき

ありがとう

娘にそう、言われたんだ

母親は娘に
良かったの?
そう、聞いてた

素敵だったわ、全部食べ尽くされた気がするもの

娘の言葉

俺、性欲を向けただけなのに

遊んだだけなのに

身体は愛され尽くしたわ

セックスしてきて、母親に、そんなことを話すんだなぁ

不思議と言うか、理解できない事だった
俺は、悪いことをしてるって、思ってるのに

価値観は、人それぞれかもしれないけど
お礼を言われるのは変だよ

何なんだろう、満足してるのに
身体はとても素敵で、思うままに抱いて
気持ちよく果てて、なのに

何かが埋らない

俺は、何を求めてるんだろう?

まだ、そんなに慣れてない身体は敏感で
燃えたよな
もう、抱けないかもしれない

欲しい、そう、思うのに…

なのに……

刺激だけが、快感だけが、駆け抜けたようで

ハルナとの、あのときの感覚は…

…………無いんだ

……………

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