《MUMEI》

なるほどね
どうしても、俺を犯人にしてーみたいだな

取調室で、髪を掴まれ、テーブルに頭を叩きつけられた

お前がやったんだな?!

質問には、答えない
黙秘を貫くと
焦りからか、刑事が変わってきたんだ

お前がやったんだよ!
そうだろ?!
あ!、なんとか言え!

って、腹を殴りながらね

基本、取り調べは複数人で行われるはずだ

だけど、こいつらはグルだ
この刑事達だけが、誰かに命令されてやってるのか、もしくは、署長までもか…

後者だな、たぶん

取り調べ、5日めだった
一切の食べ物、飲み物を拒否してた

コイツら、後には引けないようだな
俺を犯人にしないと、自らの立場がなくなる

伊藤弁護士の様態が気になるけど
知る術はない

まち子が無事なら、俺を釈放させるのは、簡単なはずだ
何かあったか、もしくは、わざと、俺を留置させてるか、だな

警察施設内で、殺しは、しないだろうけどよ…

かなり、焦ってるな
派手に殴られたんだ、
一方的にね

俺が暴れたそうだよ

この、嘘からわかる
署員全てが敵ではないってことが

そして、事態が動いたんだ

釈放だとさ

態度で拒否した

おい!聞こえないのか!

おい、だ?
説明しろ

いいから出ろ!

お前、誰にモノを言ってる
東京臭いなぁ…プンプン臭うぜ
俺の電話を持ってこい

静かに言ったんだ
喉が渇れてたから、声がガラカラだった

明らかに動揺してたな

外に出して、消すつもりか?

俺の質問に答えない

殺意ある目をしてたな

待て!待たんか!

外で声がした

退きやがれ!釈放なんだろ!

待たんと逮捕するぞ!

してみやがれ、腐れポリ公が!

竜也の声

派手な登場だな

ドアが蹴るように開けられた

待たせたな、ノブ、釈放らしい、行こうぜ

派手だね、こんな田舎まで来たのか?

んだよ、その声………
殴られたのか?

プチリンチだったな

極道とつるみやがって!
警察をなめんなよ!

拳銃を抜く、東京野郎に
耳打ちする制服警官

な、なにぃ?!

どうした、豆鉄砲使ってみろや

竜也が、首を絞め、言ってた
警察署内で、刑事の首を掴むのはまずいだろうよ…

………呆れたね
何人居るんだよ

警察署の外は、真っ黒な車だらけだった

ぜんぶ、ヤクザか、これ……

報道のヘリも飛んでた
そりゃぁ、そうだ、千人は、居るんじゃねーのか?……がらの悪い男達が、
真っ黒スーツ姿でさ

豆鉄砲使ったら、署員皆殺しされそうなふんいきだよなぁ

やりすぎだよ、竜也

どっちがだよ、ひでーもんだぜ
日本の国債が、がた落ちだぜ

追従したのか?諸国も

それ、狙ってたな、お前

………義理が、出来ちまったかな

さてと、始めようぜ

その前に、伊藤弁護士の元へ行く

私くしなら、ここに

伊藤さん!

痛々しい、松葉杖に、頭にも包帯

ノブ様、マスコミに警察の腐敗をリークいたしました
家宅捜査で、記録した音声は持っていかれましたが
コピーが有りましたので
それと、今回の件を纏めときました

まち子から、手渡された物を、ざっと見て

よい判断だ、まち子
家族は?

はい、無事です

全員か?

勿論です

その会話中、銃の音がしたんだ

………東京野郎が、俺を取り調べた刑事を射殺し、自分の頭も撃ち抜いたそうだ

蜥蜴の尻尾切りじゃ、終わらせねーよ

キッチリケジメ、取ってやる

……………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫