《MUMEI》

着いた・・・!

ここが圭ちゃんのいる、病院・・・。

『あ、あの・・・圭ちゃん、じゃなくて、柴本圭人くんいますか?』

『はいーいますよ。えー、案内してあげたいんだけど、その前にお名前聞かせてもらっていい?』

『武、夏梅・・・です』

『ナツメちゃんね、はい、じゃあ行こっか』

『はい・・・!』

どうしよ・・・。

心臓が飛び出そうだよ・・・。

圭ちゃん、チューブがぐるぐる巻きになってたら、どうしよう。

ーーーーガラッ

『圭人くーん、ナツメちゃんが来てくれたよー』

『・・・ナツメ?誰・・・?』

『!? 圭ちゃん、わかんないの?あたしのこと』

『ゴメン、全く・・・』

『なんでぇ・・・』

圭ちゃんは、記憶を失っていた。

倒れた衝撃で脳震盪を起こし、記憶を失くした。

あたしのことだけ、すっぽり抜け落ちた。

あたし達は会っても、元のような友達じゃ、親友じゃない・・・。

火曜日の給食がパンじゃなかったら、圭ちゃんなってなかったかなぁ?

何で、なったの?

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