《MUMEI》 9の続き暫く沈黙した間宮は意を決したように俺を見据える。 『??』 『青木くん、確かに僕は君の言うように…偽善教師かもしれません。君の補習を、私利私欲の為に利用したんです。職権乱用ですね…』 君の気持ちも考えずに…と間宮は続ける。ああ、やっぱりそうなんだ。と惨めな気持ちになる。 『補習をすれば、君と二人切りの時間が持てると…そしてあわよくば君と親密な関係になれるかもと…馬鹿ですよね?僕は…』 『は?間宮?』 間宮は俺を困った顔で情けなく笑い、こてりと頭を傾げた。 『僕は、君が、青木くんの事が好きなんです。』 間宮の言葉を理解するのに、どれくらいの時間を要したのか?理解した途端…顔から全身に発火しそうな熱が生まれる。 『ば、馬鹿じゃね?俺をす、好きとか!お、俺は…男なんて…好きじゃねぇ…』 間宮の視線から逃れたくて、クルリと背を向ける。て、馬鹿か、俺は…自分も間宮に惚れてる癖に…肝心なとこで天の邪鬼が邪魔をする。 『そうですよね…ええ、青木くん、ごめんなさい。今のは無しにして下さい。君を困らせるつもりはないんです。』 …ああ、顔見なくても解るほど弱々しい声で、強がる間宮。 アンタ、どんだけ可愛いんだよ、全く。 『………ケド、間宮だけは…別。』 …だからと、恥ずかしさから、ムッとした顔で呟き振り向けば、今にも泣き出しそうな間宮と目が合う。 『やはり、君は優しいんですね。僕に気を使って…無理しなくて大丈夫ですから…』 て、違う!あーもうしゃーねーなぁ… 痩せすぎな、その身体を引き寄せて抱き締める。 『俺も…好きだっつーてんの!職権乱用の馬鹿教師の事が!』 『え?本当に?』 答える代わりに抱き締める腕に力を込める。腕の中の身体は小刻みに震え、おずおずと俺の背中に手を廻し、同じく俺を力強く抱き締め返してくれた。 おしまい ********* 大丈夫ですかね?先生受けになってますかね?一応、先生受けのつもりでした。 読んで下さってありがとうございましたm(__)m ★個人的に先生受けが大好きなんで、楽しいお題でした。出題者サマ、ありがとうございました(^O^) 前へ |次へ |
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