《MUMEI》 竜也、この女性に、全て話してんだな ミオ、どう思う? ………どうかしらね 妹と寝ようが、母や姉と寝ようが、偏見は無いけど でも、狭い世界でそればかりは良くないわよね ……そっちじゃねーよ ハルナさん? 忘れられないんじゃなくて、忘れたくないんじゃないの? どういう意味だ 幸せを求めてないのよ だから、幸せだった頃を、大切にしてるのかなって、ね 死に場所探してるってか? そこまでは………けど、そうなのかもね 黙って二人の会話を聞いてたんだけど 俺の事をグダグダ話してどーすんの? そう、口を挟んだんだ ん、大切な話だろ? 軽く答える竜也の態度にムカついたんだ ざけんな! 感情的に怒鳴った俺に ふざけてねーよ ミオは、金村の出だぜ 竜也の口から、驚く言葉が…… 金村?! そうだよ、神谷とも、縁があったろ? 滅ぼされた一族だ ………滅ぼされたって、みんな、生きてるわよ、 家と秘密を捨てたからよね 貴方とは真逆よね ミオって女が、冷たい笑顔で俺を見て、言ったんだ そうだ、だが、ノブなら出来る 随分買ってるのね、竜也 すぐにわかるさ、ミオにもな 親父は、金森一族の滅亡を見て、 変わったんだ それは、事実だ 国は、金村に、クーデター扱いすると伝えてきたそうだ 国が本気になれば、潰されるだけ わかってる けど、それは、出来ないはずだ ……少なくとも神谷には、できないはず アジア諸国との繋がりを深めてきた神谷には… 今回も、俺が日本の国債を売りに出したとき、追従してくれた それは、意思表示のはずだ とくに、約束事はしてないけど… 俺は、親父の作戦を引き継いだだけだ ………本当に…勝てるのか? 弱気になってもな、今更だよな 金森の遺産はどうしたんだろうな? …………お金? へ? ……金森のお金なら、国よ 持っていかれたそうよ ………怖い人だね ミオはな、人の心を上手く読むんだよ その人が、どんな考え方をするか、わかるらしい だから、今、何を考えてるのかを、知れるそうだぜ …………そう エスパーみたいだね 貴方も、同じ匂いがするわよ …………俺のは、そんなんじゃないよ 状況から導いた、ただの推測にすぎない お父様から? そうだよ、父の教育のひとつだ 金森の、培った知識よ、それ …………そう 全てを貴方に託したのね、お父様は ……そうかもね 酷いわよね そうか? ………今の暮らしに満足なの? どんな暮らしでも、満足はないよ もし、満足を求めるなら この国が無くなることが、近道だね そう…………悲しい人ね 悲しくはないさ 無益なだけでね …………決めてるんじゃ、誰が何を言っても、ムダじゃない 竜也を見て、ミオが言ったんだ だから、なんとかするんだよ 周りでな 竜也、貴方はヤクザよ ヤクザの本質から外れてるんじゃないの? そうか? この国が占領されてた頃は、ヤクザが民を守ってたんだぜ 上の方で、勝手に事を決められるわよ それでいいさ ヤクザは政には関わらない 逸脱したとき、初めて動くのさ 見返りは、何もねー、それがヤクザだ ま、だから普段、傲慢にやって、カタギさんから金を巻き上げてんだけどよ 竜也、コイツ、バカだな 大バカだ 俺と、破滅する気か? 竜也は、破滅を選ばないわよ 最後の最後まで、ね 怖い、人だね、ミオさん………また、読んだの? 貴方、解りやすいわ !……… 真顔になったな、ノブ 女に拳か? あ?! 俺、無意識に拳を握ってた… ミオも、たいしたもんだ ノブを、警戒させたんだからな くすっ、男のくだらない世界観よね シャワー浴びてくるわ 適当に飲んでてね ミオが席を外したんだ ……………怖いか?ミオが まぁ、ね、 ママさんにも、勝てないなっておもったけど ぷっ、ママの娘だぜ、ミオは ぇえ?! そう言えば、似てるかも え?、ママって、金村?なの そうだよ ……………… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |