《MUMEI》
潜入
ミオさん、コンタクトなんだ
髪も染めてるんだって

外人に見えるけど、本当はちょっと、違うんだって
瞳は薄い茶色で、髪も明るい茶色なんだって

肌は真っ白だから、髪と瞳の色を変えれば、まんま外人に見える

アジアの骨格の方が、幼く見えるそんなんだ

それに、西洋の出で立ち
それが、ミオさんの武器らしい

男でしょ、そんなことぐらいでびびらないの

だって、目を触るんだよ

ほら、情けないこと言わないで

ミオさん、近いよ
いい、匂いだなぁ
ヤバイ、読まれる!

あ!
クスッと笑った…………

どうだ?化けれたか?

お帰りなさい、竜也

ほう、すげーなぁ、

モテるわよ、目立たないようには、ムリね
鍛えられた身体に、このマスクだもの

金髪、似合うな
目も、不自然じゃない色だな

コンタクトはめるのに、びびってるのよ
可愛いわ

ぷっ、

また、竜也の野郎、笑いやがった
絶対シメてやる、

襲ってきたか?

意外と紳士よ、私の身体は好みじゃないのかもね

襲うか?!

ムキになんなよ
ほら、身分証、ヤサも車も用意したぜ
それと、まち子からだ

んだよ、時計なんか要らねーよ

発信器が入ってるそうだ

………随分、大掛かりだな

神谷の中枢だろ、お前の死は、戦争の引き金になる
まち子は、お前の意志だけが全てだな
たいした姉だよ、命すら、お前に預けてる

………もらっとくか

油断はするなよ

わかってる

女に気を付けてね
騙されないようにね

…………ミオさんの言葉に、返事はしなかったんだ

そして俺は、トラックの荷台で移動したんだ

ミオさんのマンションから、倉庫に行き
倉庫の中でワンボックスに乗り替え
雑居ビルへ
そして、そこから車に乗り、用意されたマンションへ行ったんだ

フェラーリは、竜也に預けた

案の定、尾行が付いてたらしい
横の窓まで真っ黒にし
背丈の似た男に運転させて、竜也と共に、竜也の屋敷に行ったそうだ

上手く行ったのかな?

さて、始めるか

人格も、偽らなきゃな
名前も、全て、偽らなきゃならない

頭に刻み付けろ
別人の俺を

指紋だけは、気を付けなきゃな………

…………

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