《MUMEI》

会社を休むと、怪しまれるから出社したんだ

そして、毎晩のように、稲森さんのマンションを訪ね
話を聞いたんだ

専務には、寝たら虜になってる
俺のことを、そう、報告したそうだ

手なずけとけ、そう、言われたって
なにやら、大事なときだから
不安要素はひとつでも消しときたい

そうも、言ってたそうだ

だいぶ、見えてきた
でも、確証がない

そんなある日
稲森さんの、マンションで、待ってたとき

ごめんね、遅くなっちゃったわ

帰宅した稲森さんから、精子の臭いがしたんだ

………おもむろに、下着を下げた

汚いわよ、中に出されてるから

誰と?

妬いてくれるの?
専務よ
バスワード、盗んできたわ

危険だよ…

でも、社のパソコンからじゃムリね
なんとか、自宅に上がらなくちゃ…

危険だよ!

………引かないわよ
愛してなんて言わない!
必要とされたいの………

平気で人を殺す奴等だよ

知ってるわ、父は事故じゃない!
もう、目を背けないわ
家族旅行に行くそうよ、専務はいかないみたいね
それと、娘もね
娘をたらしこんで、自宅に上がりましょう

稲森さん!

止めないわよ!
シャワー、してくるわね

……………

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