《MUMEI》
隆志視点
▽
「え?裕斗の奴マジでドラマ決まったの」
「みたいだよ、さっき事務所寄ったらその話題でもちきりだったし…、しかもなかなか出番多い役らしいよ」
俺と同じモデルで、俳優を目指す、加藤惇は、携帯を弄りながら他人事の様に話をする。
ガチャ…
「おはようございます」
「おっ!おはよ〜う!噂をすればなんとやらだ、…あー俺飲み物買って来よ、隆志は…いる?」
加藤はすっと立ち上がり、バッグを掴んだ。
「俺はまだ有るから要らね、」
「そっ!裕斗は…、要らねーか」
裕斗は既に片手にペットボトルを持っていた。
加藤は携帯を弄りながら裕斗と入れ替えに出ていった。
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