《MUMEI》

「ガキの頃テレビでやってるビックリ
人間スペシャルなんかが好きで、よく見ていたが、まさか自分がそうなっちまうとは思いもしなかったぜ」
「どうやら自棄になっているようだね。しかし考えてみたまえ。君と言う
存在の価値を!君は人類が何千年もの間夢見て手に入れる事の出来なかった、病と死の恐怖から、歴史上初めて逃れる事の出来た人間になれるのかも知れないのだよ」
「長生きする事がそんなに重要な事なんですかねー、おぉっと、て元末期癌の奴の言う事じゃ無いってか?ナノマシン
様様だぁ」
ここで男は机に肘をつくと、組んだ両手の上に顎を乗せ、この男にしては珍しく考え深げな顔で、
「だけど俺は最近思うんでさー。生き甲斐の無い人生なんて・・・・、とね。」

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