《MUMEI》
疲労とおんぶ
「はぁっ… はぁっ…
これはっ… キツイ…な ふぅ…」
「蒼夜、本当にごめんね…」
起きあがれなくなった遥を背負い
周りの視線を痛いほど感じつつ
現在地は35°程度の坂…
それほど長くはないが
遥を背負ってゆっくりしか歩けない俺を潰すには十分な距離だ
ここらの人が自転車を使わない訳がこれなのだ
「ぐっ… これで坂は終わったか…」
       :
       :
「ただいまぁ…」
「お帰りお兄ちゃ…遥さん?」
「こ…こんにちは夕陽ちゃん」
「何があったの?」
「 …目の前で衝突事故が起きて遥が腰を抜かしちゃったから
俺がおんぶしてきた」
「へぇ、そんなことがあったんだ」
適当に興味のなさそうな返事をして夕陽はリビングに走っていった
「あいつ、聞いてきた癖に興味なさそうな顔しやがって…
まぁ嘘だから興味持たれても困るけどな」
そういいつつ遥を一端おろし、靴を脱ぐ
(そういや俺の部屋二階だったな…
一回の和室で寝てもらうか)

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