《MUMEI》

……………まったく、覚えてない

気付いたら、点滴されてたんだ

丸3日も、寝てたって………

熱が下がらず、また、医者に来てもらったらしい

ここに、泊まらせてもらったそうだ
病院に運び込んでも、騒ぎになるから…

俺が寝てるから、他のパーティーは、ホテルを借りてするって、マリエが言ってたって

俺は、かなり回復したんだけど

レイが、倒れちゃったんだ…

移しちゃったんだ、インフル…

………ちょうど良いわ、身体を休めて下さいね

まち子、皆は

帰ったわよ、東京観光、竜也さんとしてね

竜也が?

そうよ、普段は普通のお兄さんよね

レイは?

大丈夫よ、さっき連絡あったわ、
自宅療養してるわ

悪いこと、しちゃったなぁ

私が看病したかったんだけどね…
暴れたのよ、ノブ

え?!

……うなされた、が、正しいのかしら、
…………お母さんに、会いたいの?

………うなされてたの?

震えてたわ、私の声も、届かなかったわね
レイさんが、貴方を落ち着かせたのよ…
うなされてる貴方に、口移しでお水を飲ませてたわ…

………レイ、が?…

添い寝をして、貴方を抱き締めてたのよ、ずっと……

………なにか、安心して、爆睡したような気も、するんだよな……
レイに………抱きしめられてたのか…

竜也さんに、叱られたわ
貴方に頼ってばかりで、甘えるばかりで、
何をしてるんだって…
女の身体を軽んじるつもりはないが、
貴方の苦しみを、なぜ、共感出来ないんだって
レイさんは、わかってるのね……
貴方の胸の内を…

…………愚痴った、からかな

そんな、生易しいものじゃなかったわよ
憎いなら、自分を殺して
餓えてるなら、食らって、
寂しいなら、甘えて………

告白よ、あれはね、ノブ、どうするの?

し、知らないよ、記憶が…

泣いてたわよ、貴方…

お母さんにはなれないけど、私に甘えてって、レイさん

それで、貴方は抱きしめられて、眠ったのよ

お、覚えてないょ………

いつも、死の恐怖があったのね
死を恐れたら、戦えない
どんなに、貴方が自分を追い込んでるか、わかってあげてよ………レイさんに、言われたわ
今度は、私達が貴方を守る!

まち子………

貴方が死んだ方が、得な国も、あるのよね…
なんで、気づかなかったんだろう、
そんな、簡単なことに
目の前の幸せに、捕らわれてたわね

だから、貴方は誰とも特別に親しくしない
孤独を選ぶ
女は身体だけでいい
古い友人とも、会わなくしてる
気付かなかったわ
私達みんな、貴方の女、失格ね

なんだよ、俺の女って…

主人がいても、貴方と肌を重ねられるわ

不貞行為だよ

なによ、今更………

まち子が、俺の髪を撫でたんだ

………レイに、言われたのにな
墓参り、してねーや
バチがあたったのかもな

治ったら、行きましょう

うん………

…………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫