《MUMEI》 正月を、ひとりで過ごすことにしたんだ ゆつくり、色々考えたいからって でも、元気になると、性欲も… 稲森さんに電話したんだ けど ごめんなさい、私も凄く、遊んでもらいたいんだけど… ……まち子さんから、禁止命令が出てるの 会ったら、絶対しちゃう 我慢できないもん まち子が? うん、貴方に彼女が出来るまで やらせないでって いや、飯を食おうとさ ダメ、私がしたくなるの それに、まち子そん敵にしたら、恐すぎだもの まち子、そんなに恐い? ……メチャクチャ貴方を愛してるでしょ? 私達とは違うもの ご自分の、お子様や御主人が居るのに 貴方の為に死ねるわよ、まち子さん… ……ムチャさせないであげてね 稲森さんが、まち子を気遣ってたんだ それに、見透かされた ヤりたくて、電話したったて そりゃぁそうだよな 今までだって、何度か呼び出して… 緩い穴なんだけどさ ムチャできるって言うか スコンパコン出来てさ 楽しいんだよなぁ、稲森さんとの…… 小林さんは、もう、エッチはダメって、言われたもんなぁ 赤ちゃん産んでも良いなら、抱かれるわ、って はぁ、………なにやってんだろう……俺…… おせち料理も、欲しくない 一人なら独りでも、平気だよ 強がりかな 弱いな、俺… 独りの奴って、なにしてんのかな? 正月なんて、飲み屋も、やってないし ………相棒は、お前だけか フェラーリの鍵を、握りしめたんだ …………道路が空いてる 心地よいエンジンサウンド 人様に怒られるスピードで、深紅の車体が空気を切り裂いてた サングラス越しに、雪を被った富士山が見えてた ビルの向こうに、はるか彼方なのに、大きくそびえる富士山は どっしりと、構えてるような 静かに眠ってるような 俺は首都高速から、東名高速へと、鼻先を向け その、独特な点火順番のV型エンジンのサウンドを、背中で聞きながら走らせてたんだ ………… 前へ |次へ |
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