《MUMEI》
レイの部屋
すまんな、ノブ

いや、元は、俺が移しちまったんだしさ

深夜になってた
レイ、薬が利いて、眠ったから、リビングに来てたんだ

二人きりは、気が引けるしね

ヤクザって、正月忙しいんだな

ん、まぁな、

俺と竜也の会話に

プリン、ぐしゃぐしゃよ

ミオさんが言ったんだ

柔らかいんだって、それ、

そう話した俺に

知ってるわよ、私も好きだもの
横浜まで行ったの?

うん、ドライブがてらね

味は変わんねーだろ?
食おうぜ

あら、竜也、甘いもの食べるの?

ノブが買ってきたなら、毒でも食うかな

………男に、嫉妬するなんてね!
何よ、ノブ、ノブ、って…

話題を変えたくて

レイに、買ってきたんだよ

そう、言ったんだ

抱く気になったか?

んで、そうなんだよ!
だいたい、自分の妹を……

レイが、降りて来たんだ

………側に居てくれるって、言ったじゃなぃ

ごめん、ほら、二人きりはさ

嘘つき!!

レイ………

怒って、部屋に戻って行っちゃったんだ

行ってあげて、ノブさん

ミオさんに、言われた

気が引けるけど………

ノックした

返事がない

開けるよ

あ、鍵……部屋に、鍵があるんだ?…

レイ、開けてよ、ねぇ

カチャ

なによ、嘘つき…

少しだけ、ドアを開け、レイが言ったんだ

凄く、怒った目が、見えてた

………ごめん
入るよ

強引に、ドアを開けたんだ

ほら、ベットに寝て
約束守るから

…………うん

ドキッとした
なんて、可愛い顔、すんだよ………

熱で、唇も乾いてて
髪も、とかしてないのに

化粧だって、してないよな

………ひとつ、歳上のレイ
なのに、愛らしい、幼い笑みを見せてた

部屋を暗くして、手を握ってたんだ

息苦しそうだよな

保冷剤をタオルに巻いてるけど
すぐ、暖まっちゃう

看病か、初めてだな
でも、レイは、俺を看病してくれたもんな

恩返し、しなきゃな

………………

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