《MUMEI》 プロローグ・かぐや姫の故郷より満天を深い漆黒が覆っていた。 それは、人間のちっぽけな理解力など寄せ付けぬと言わぬばかりの、見る者に冷酷ささえ感じさせる、深い漆黒だった。 その満天の漆黒から、まるでシャワーのように星の光が降り落ちて来る。 それにしても、何とゆう膨大な星の数なのか? 恐らく地球上のほとんどの生物が、空にこれほど圧倒的な量の星光を、肉眼で見た事は無いだろう。 その星の雨が降り落ちる、ひび割れた 地表と、岩が転がるだけの景色が 、どこまでも不毛に広がる大地と共に。 大気を持たず、真空の宇宙に剥き出しになった空と、月の裏側の風景を見る事が出来る者が、地球上に暮らす生物の中にいるわけが無い。 宇宙飛行士でも無い限りは・・・・。 次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |