《MUMEI》

「なぁお袋、海外旅行とか、親父の仕事で引越したりする予定ない?」

「何言ってるの?そんな予定ないわよ。変な夢でも見たの?」

「最近理想の環境が整い始めたんで、俺が一人暮らしすることになった、とかいうお約束的状況にならないかなって思っただけだよ」

「何わけ分かんないこと言ってるの。早く用意しないと遅刻するわよ」


やはりそんな定番的なイベントが安々と起こってはくれないか。


しかしそんなことを思いながらも俺は遅刻寸前の時間に、パンをくわえながら、曲がり角で美少女とぶつかったりしないかなっと期待しながら走って登校した。

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