《MUMEI》

学校に登校すると例の5人が集まっていた。

「ねぇ、私達が全員同じ班になるなんて不自然じゃない?」

幼なじみ?の新城まことが委員長の宮内さくらの方を見ながら言った。

「へへへ、なんか面白そうだからこんな班にしちゃった」

「さすが委員長。委員長は協力してくれると思ってたぜ」

がしっと宮内さくらの両手を取って言った。

「僕にはいい迷惑だよ。巻き込まないでくれよ」

「何!お笑い兼優等生の斎藤和樹は協力してくれないのか」

「だからいつから僕がお笑い担当になったんだよ。みんなも迷惑してるはずだよ」

「いや、俺は協力してやるよ。なんか面白そうだからな」

「わたくしも協力してあげてもよろしくてよ。退屈な市外レクリエーションなんてまっぴらでございますわよ。せいぜい楽しませて下さいませ」

「おぉ!ありがとう。ありがとう、よく決断してくれた」

二ノ宮春樹と一条優香の手を握りながらブンブンと上下に振る。


「斎藤君も協力してあげようよ。滝沢君がこんなに一生懸命頼んでるんだよ」

「うぅ、うぐぅ。委員長がそこまで言うなら仕方がない。いっておくが仕方なくだからな。」

「よし、これで後は新城だけだ。頼む新城、協力してくれ」

「えっあのあの、みんなそんな見ないでよ。協力しなかったら私だけ悪者になっちゃうじゃない」

「ということはオッケーということだな。よっしゃー、完璧だ」


全てが恐いぐらい思い通りに行っているな。やはり日頃の行いが良いからだなこれは。

よし、こうなったら今日の帰りにでもツンデレ攻略マニュアルでも買って帰ることにでもしよう。

「という訳で、皆さん滝沢博之を今後ともよろしくお願いします」

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