《MUMEI》
あんたが好き
「で?君は誰だ?」
 見知らぬ後輩に告白され、頭が痛い。それと、こいつがでかすぎて首が痛い。
「新井 湊といいます」
 湊は、希央を見つめた。
「な、何だ?」
「先輩、近くで見るともっと綺麗っすね」
 綺麗・・・ねぇ。嬉しくねえよ。
「そうか・・・」
「・・・」
 機嫌を悪くした希央を見て、湊は落ち込んだ。
「?」
「気持ち悪いですよね・・・すみません・・」
 寂しそうにする湊を見て、希央は口を開いた。
「お前は俺のどこがいいんだ」
「顔」
「・・・」
 呆れる希央。
「あんたの乱れる顔が見てみたいなーと思って」
「・・・は?」
 一瞬意味が分からなかったが、意味がわかると頬が熱くなる。
「やっぱ、可愛い♪」
「ふ・・・ふざけるな!」
 優しい笑顔で希央の頬を撫でる。
「♪」
 湊はみるみる赤くなる希央の頬にキスをした。
「なっ・・・」
「次は口にしたいっす」
「阿呆!!!!!!!!!!」
 希央は、湊の頭を思いっきり殴った。
「いったーい」
「そもそも、俺もお前も男だ!」
「知ってます」
「・・・!」
 否定しないので少し答えに悩む。
「それでもあんたが好きなんだ」
 
   ドキ・・・・ッ

 真面目な顔に少しトキめく。
(何だっ!今の・・・)
「どうしました?」
 心配そうに希央の顔を覗く。
「なななななんでもねーよ!」
「?」
 これはヤバい・・・
「っ・・・」
 何だこれ・・・
「せーんーぱーい?」
 目の前に湊の顔がアップで映る。
「ウhggfvpflfgフjbv☆!?」
「うおっ」
 驚きのあまり、希央が倒れる。
「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
 後頭部を打った。
「大丈夫っすか!?」
「大丈夫じゃねーよ〜ぉ・・・お前の所為で」
「あ、涙目。可愛い」
「シネ」
「♪」
 一つ、恋の予感・・・?

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