《MUMEI》

プール入れるとは贅沢だ。
水中でまったり遊泳。
人がぎっちりで非常に泳ぎにくい。

俺一人はぐれている。
奥に居る後頭部は七生なんだけど進めない。
見えてるのに。


たくさんの人とぶつかる。肌が触れると少しだけ照れ臭くなる。



七生に手が届きそうな位置までやってきた。

「なな……」
呼ぼうとしたら隣に富岡がいた。伸ばした指が引っ込む。


……邪魔しちゃ悪い。

気付かれないように後退る。





天井にエコーして響く声。


笑い声がくるくると廻る。



周りを見ると楽しそうに泳いでいて無性に感じたのは



俺は今、一人だってこと。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫