《MUMEI》 プール入れるとは贅沢だ。 水中でまったり遊泳。 人がぎっちりで非常に泳ぎにくい。 俺一人はぐれている。 奥に居る後頭部は七生なんだけど進めない。 見えてるのに。 たくさんの人とぶつかる。肌が触れると少しだけ照れ臭くなる。 七生に手が届きそうな位置までやってきた。 「なな……」 呼ぼうとしたら隣に富岡がいた。伸ばした指が引っ込む。 ……邪魔しちゃ悪い。 気付かれないように後退る。 天井にエコーして響く声。 笑い声がくるくると廻る。 周りを見ると楽しそうに泳いでいて無性に感じたのは 俺は今、一人だってこと。 前へ |次へ |
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