《MUMEI》
家族は家族
ある日、沙月が言っていたことを聞いてしまった。それは突然の事実。


「美亜、いつから」


「・・・兄妹じゃあない?じゃああたしは何?誰の子供?」


「・・・・・」


「なんで黙るの!!」

「・・・・・」


「もういい!」


「美亜!」


今までみんなはずーっと黙ってたってこと?ずーっと、平気な顔して生活してたの?


「はぁはぁ」


勢いで家を飛び出してしまった。


「あっ雨」


・・・今は帰りたくないな。合わす顔がない。


「・・・ひっく」


今、泣いても遅い。あんなこと言わなければよかった。なんで、今後悔するの?沙月・・・あたしの名前呼んでよ。迎えにきてよ。


「美亜」


「沙月・・・」


なんで来てくれるの?なんで迎えに来てほしい時に来てくれるの?


「濡れるぞ」


「・・・・・」


「わかってた。お前に兄妹じゃないって言えば、絶対傷つく。そう思ったら言えなかった。ごめん。もっと早く言えば、お前を深く傷つけなかった。」


「あたしが悪いの。家族は家族なのに、あたしが理解するの遅いから。でも・・・わかったことがあるの。独りは嫌。これからも一緒にいていいでしょ?家族でいたいの。」


「当たり前だろ?ほら、こっちこい」


そう言って沙月はあたしを抱きしめた。沙月はとてもあたたかい。あたしが冷たすぎる?


「母さん心配してる。帰るぞ」


「うん」


そのままあたしは眠ってしまった。この後の記憶は目を覚ましてからも覚えてなかった・・・でも、沙月が何か言ってたけど気のせいかな?


「美亜、俺はお前と兄妹は嫌だ。早く俺の気持ちに気づけよ」

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