《MUMEI》

奥の個室に案内された

板さんが、挨拶に来た

飲むか?

竜也の言葉に

うん

そう、答えたんだ

ビール、それと刺身をもらおうか

はい、かしこまりました

普通の人に見えるけど、ヤクザだったのかなぁ?

一般の人も来るの?

俺の質問に

ミシュランガイドにも乗った店だぜ
確かに訳有りの従業員が多いけどな

そう、答えた竜也が

そうなんだろ?、指輪

真顔で、俺に聞いてきたんだ

嫁にもらうよ

そうか、うん、そうか

何かを噛み締めてるような竜也だった

静かに、ビールで乾杯したんだ

そのつもりで、レイを追い出したのか?

そう聞いた俺に

俺の家業が、レイを苦しめる

舐めんなよ竜也
ヤクザの娘をもらうんだ
けどな、ヤクザは嫌いだ、それは変わらねーよ

………わかってる、表だって…

身内だけで、式をあげる、お前も来い

しかし、ノブ、俺と付き合ってたら、
F-1ドライバーのことも、燃焼電池絡みだろ?!
広告塔になってんだろ、向こうの建築会社の

よく知ってるね
そうだよ、コマーシャル契約してるんだってさ
まぁ、贈り物は別の意味があるのかもだけどね

俺は、社会悪……

グダグダ言ってんなよ!
竜也、お前、俺の兄貴になるんだぜ
俺よりシノギの少ない兄貴によ

んだと、こらぁ!

また、資産が増えた
止まらねーよ、どうしよう…

またって、なにしたんだ?

フランスの山を買ったんだ
美味しい水が沸くんだけどさ、環境汚染がね、
フランス政府と合同で公社を興し、菱和の技術で、な

…………どこまで、上り詰めるんだ?

レイが、心底笑うまで
華族が幸せに、暮らせるまでだ

…………ノブ…

政府より、ヤクザの方がまだ、汚れてねーよな
ダチから兄貴になるだぜ、
今日は兄貴のおごりだろ?

………飲めよ、死ぬほど飲め
ありったけ飲もうぜ!

病み上がりなんだけどね、付き合うよ

……………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫