《MUMEI》
金村美鈴
デカイ屋敷だね

そうね、行きましょう

レイが、インターホンを押したんだ

レイさん?

ミスズ、開けて、私が来た用件、わかってるわよね?

……………どうぞ

門が、自動で開いたんだ

車で乗り入れた

どんな女なんだと、警戒心が強まってたんだけど
…………小学生か?

玄関先に現れたのは、幼い女の子だったんだ

上がっていいかしら?

どうぞ

ホコリっぽいなぁ、掃除、されてないな
なんとなく、アカネの母が狂ってた頃の実家を、思い出した

お茶入れてきますね

ミスズ、けっこうよ、はい、貴方が好きなドーナツと、炭酸飲料よ

………覚えててくれたんですね

レイは、面識があるんだな

食べながら、聞いてね

金村の秘宝の事ですか?

そうよ

ありません

みたいね、なくなった経緯を聞きたいの

そちらの男性は?

神谷信幸よ、知ってるわよね?

お名前は、存じてます

なんだろう、やたら、大人びた話し方をするな………

ノブ、ミスズはね、ユウサクの父が、別の女性に産ませた子供なの

愛人に?

いいえ、ミオさんに近い新関によ

…………そう

レイプよ、ミスズの母は、自殺したわ、ミスズを、生む落として、直ぐにね

自殺?

そうよ、ミスズ、貴女今、いくつ?

10歳です

ミスズの母は、12歳で、その生涯を終わらせたわ

12?!………

そうよ、

レイさん、ユウサク兄さんを捨てて、神谷と?

………話すより、見て

レイ、そう言って、タブレットを鞄から出したんだ

……………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫