《MUMEI》

まち子さんの携帯電話がなってた
弁護士さんから?………
良くない、知らせかしら…

マイナス思考になってるわ、わたし
ノブに頼れないのが、こんなに、辛いなんて

甘えてたんだ、ノブに

なにが、守ってあげるよね
何もわかってなかった

私は、何をしてたんだろう……

何との垣根がなくなって、舞い上がってただけ………
なんで、ノブの叫びが聴こえなかったんだろう?………

甘えてたからよね

わかってくれる

いつでも、抱き締めてくれる

別れよう、ノブは私に、そう言ったわ

きっと、そうなる
でも、その前に、ノブを…………
方法すら、見えないけど…でも……

レイ………レイ!

あ、な、なに?、兄さん…

客人だ、ノブの妻はお前だろ、挨拶しろ

あ………

レイさん、夜分すみません
ノブ様を。お預かりしに来ました

え?!………

嬢ちゃんが、のが、嫁かえ?
まぁ、綺麗なオナゴじゃて

あのぅ、何方ですか?

桜田と申す者じゃ
孫に呼ばれてのう、遥々モナコから来たとこじゃて

桜田さん?!

嬢ちゃんには、ノブをまかせられんようじゃてのう………

あ………どう、なさる気ですか?!

モナコに連れて行くのじゃよ
こんな、腐った国に居るから、病むんじゃ
何人も、見てきたわい
孤独になり、心を病み、廃人になってった、輩をのう………

身勝手過ぎます!
唐突に現れて!

レイさん、特集部隊が密入国したそうよ
今、公安からも連絡があつたわ
ノブを、避難させろと…

なんで?!

病んでるのが、知れわたったのだろうのう…
このところ気を逃せば、神谷に太刀打出来なくなると、踏んだのだろうのう
時はあまりない、連れてくぞい

お待ちください!
たとえ、それが事実だとしても、連れてく事はまかりなりません!

誰に、物を申してる、ヤクザ風情の娘っ子が

じいさん、ちょっと、でしゃばり過ぎじゃねーのか?

小わっぱが、生意気を言いおって…

うるせーなぁ、何事だよ?!

ノブ?!………起きちゃったの?

おっ、桜田の爺さん、どしたの?

ノブ、迎えに来たんじゃよ
お前さんは、よくやった、もうええじゃろ?
ワシとモナコへ経つのじゃ
なんも、未練はなかろうて…

……………

……………

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