《MUMEI》
設計図
私の答がそれで正しかったかのように、山本は微笑んだ。

「面白いんですよ彼女、しゃべっていて全く飽きない。
実は彼女、あの掃除機を作ることが出来るなんて言ってるんですよ。
高科さんは、あの掃除機を作るのは簡単だと思います?」

「設計図があれば作ることはできます」

「そうですか。それじゃ私でも作れますかね。もし設計図がばらまかれるってことになると大変な事になっちゃいますよね」

「………そうですね」

「設計図を他人に見せたりしたことはありませんか?」

「ありません」

「それじゃ一人で作ったんですかね?家電製品を取り扱っていたにしても、掃除機を作ったのは初めてですよね。技術的なことで誰かに協力を求めたことはないんですか?」

「ありません。自分一人で試行錯誤しながら作りました」

「そうですか。この話はまた後で詳しくしましょう」

山本はここで話を一度区切った。
私は話に加わるように言われていたが、メモを取るので精一杯だった。

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