|
《MUMEI》 鎌倉に、こんな屋敷があったのね… 桜田の屋敷なのかしら？ 広い、畳の部屋 囲炉裏がある……… まち子は来なかったのう 黒田よ、お前さんは組織が大切ではないのかえ？ まち子は、ノブの留守を預かる身 来なくて当然 ノブは死なないし、俺も死なん なるほどのう、理に叶っとるわい さて、和美 神谷を離れ、桜田に尽くすというのは、本当かえ？ はい、 よかろう、その覚悟、しかと見届けさせてもらうぞい 時間がない、始めなされ 和美、通訳を はい ノブ、聞こえておるか？ ………………もう、言葉も出んか？、間に合うのじゃろかのう ノブ………… 薬物を投与します、医師の資格は持っております 危険な物ではありません 外人の女性………フランス語？ 和美さん、フランス語も通訳できるんだ…… ノブが注射を嫌がってる… ノブ、信じてみようよ、ね 一人で死なさないよ、私も一緒だから……… ぁぁ、ノブ、私の声が届いてる… 注射を、受け入れてた…ノブ…… 泣いてる場合じゃない、急変したのよ、体調が………私が薬を飲ませたからなのかしら？……… レイが、医者から処方された眠くなる薬を飲ませてるけど、大丈夫なの？注射… ……………ミオさん、問題無いそうです その処置は、正しかったでしょう 限界点を、とっくに越してるでしょうから 限界点？ 筋肉が、限界に来てるそうです 以前、桜田の若君も、こうなったそうです 桜田の？ ワシの息子じゃ、死におったわい、狂ってのう……… …………狂って、死んだ？ ノブ………… 死なさない、絶対に………神様、私の命を差し上げます ノブを、お守りください… 苦しい顔をしとったわい 自らの意思で、心臓を止めおった……… 心臓を………自律神経……同じだわ …………ノブ… ノブ様を、囲炉裏の前に、 皆さんは、下がってください 明かりが落とされた… お香を炊くの？…………催眠療法と、言ってたわよね… …………… 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |