《MUMEI》
失言?
「資料を読み返していて思っていたんですが、[掃除機で殺さないと意味がない。掃除機こそ1番の発明品だ]とあなたは言いましたよね。これは、あなたが描いた漫画に関係するということで間違いありませんか」

「はい、私が増田を殺したのは、彼が私の描いた漫画を激しく非難したからです。掃除機を使った殺人事件は今までに見たことはなかったし、斬新なアイデアだったと思っていました。作品を馬鹿にする彼の態度にカッとなってしまい、いつか彼を掃除機で殺そうと、そんな考えに至りました」

「そうですか。ん〜〜三倉はこれについて何か高科さんに質問はないですか?」


−−はへぇ、あのあの……なんてタイミングで私にそんな話を振ってくるのよあんたは。

「えっと、えっと……この漫画と同じ殺し方をしたっていうことですよね。漫画でも今回のように、気絶した相手の口に吸引口を入れて吸い出すっていう殺し方だったんですか」



−−沈黙




(あの、私の質問そんなに可笑しかったですかね。山本、あんた笑ってないで助けなさいよ。私だってちゃんと準備さえしていればもっとまともな質問出来ていたんだから………)




「……………」


「…………………」


だれか助けて。
恥ずかしくて顔を上げれない。
何、私そんな変なこと聞いた?



「……いえ、漫画では吸引口に触れたら、その場所から吸い込まれるという設定でした。実際にはそういった物は造れませんでした」

−−答を聞いてやっと理解した。漫画を非難した増田は殺された。私は漫画通り殺せなかった高科を侮辱した………ということになるのだろうか。
けっして悪意があっての質問ではない。
漫画についての内容は資料に載っていなかったし、原本も増田によって廃棄されていた、だから私は何も知らずに質問しただけ。

いつまで笑ってるのよ山本。なんとかしなさいよ。

考えてみれば、気絶した相手にしか使えない殺人道具って何、ハハハハ。と私は高科に言った。とも受け取れてしまう。
そんなつもりはないのに。

山本の馬鹿早くなんとか繋ぎなさいよ。

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