《MUMEI》

「いや・・・・」
母が喘ぐ。
だがその声の響きの中に、拒絶だけでは無い何か甘やかなものが含まれているのを、須佐男は敏感に感じとった。
「こうゆうのはどうだ?」
あいつが乳頭を歯で甘噛みすると、母が顔を切な気に左右に振る。
そこには須佐男の知らない、母の『女』
の顔があった。
須佐男の中で、思春期以前の形にならない欲情の萌芽と、嫉妬のようなどす黒いどろどろした感情が生まれる。
.あいつが母優子の片方の太ももを持ち上げると、腰を押しつける。
母は・・・・ああ、いやあ・・・・と喘ぎながら、あいつの背中に両手を回ししがみついていく。
覆いかぶさり動き始めたあいつの体の下で、母優子の乳房がひしゃげて潰−つぶ−れ、全身が汗に濡れて光っている。
須佐男は不覚にもその光景を見て勃起していた。
やがて母があいつの腰に両足を回し交差させるのを見た須佐男は、黙ってドアを開けて外に出た。

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