《MUMEI》
届け
  〜江上視点〜


謝る私に香奈は

怒ったように

「謝って欲しくなんかない!!」っと言った。

私は「うん。分かってる。」

っと言って

話始めた。

「私、さっきの香奈の言葉を聞いて

はっとした。


ちゃんと香奈に

自分の気持ち伝えれてなかったかもしれない。

いつも逃げてばっかりでごめん。

そんな私を

見捨てないで

怒ってくれて


そんな私のために

泣いてくれて





"ありがとう"。」

そう言って私は香奈に微笑んだ。

"言わなきゃ分からない"って香奈は

言ってくれたよね?

それは、私を

分かろうとしてなきゃ

出てこない

言葉だよね・・・。

他の人には

香奈の言葉が

キツく聞こえたかもしれない。

でも香奈は

どうでもいい子には

怒ったりしない。

だから私は

キツくても香奈なりの

言葉が嬉しかった。


だから私も

香奈が大切だから

ちゃんと伝えないといけない。

私の気持ち

香奈に分かってもらいたい。

そんな気持ちで

私は話を続けた。

少しでも

届けばいい・・・。

私の気持ち。

「私、香奈への当てつけで

言ったんじゃないよ。

香奈に知って欲しいから

言ったの。

香奈とこのまま

ぎくしゃくしたままなんて嫌だから

言ったの。


私があの時

香奈から離れたのは

私と居ると香奈を

傷つけてしまうと思ったからなの。

私と一緒に居ることで

大切な人を

これ以上傷つけたくないと思ったからなの。


でもそれが

香奈を苦しめてるなんて

知らなかった。


私ちっとも香奈の気持ち考えれてなかった。


でも私のワガママを

聞いて欲しい・・・。


私やっぱり

香奈と一緒に居たいよ・・・!

前みたいに

一緒に笑いあいたい!



香奈、もう1度



私と友達になって下さい!!」

そう言い終わった頃には

私の顔は

涙でぐちゃぐちゃになっていた。

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