《MUMEI》 里緒の考察2ノートにはさっきからわからないの文字ばかり書いている。 −−−しっかりしろ パチンと顔を両手で叩いた。 もう一度始めから考えよう。 ここに来た目的は、高科の精神分析及び他の凶悪犯罪との精神分析との関連性の調査。 このような事件を二度と起こさせてはならない。その為の精神分析。 −−あれ、これは重要なヒントがあるんじゃないか? 今日の調査メモを見る。 山本は高科にこの掃除機を作ることは簡単かどうか聞いた。 そして、設計図があれば作れるという結論に至った。 設計図がばらまかれると大変なことになるという山本のこの言葉。 そしてその次に、山本の言葉、誰かに協力してもらったことはないか。 この質問の意図は? もしかしたら山本は高科には共犯者がいて、今も掃除機の研究をしている。 こう思っているのではないか? また同じような掃除機を使った犯罪が起こる。そう察知した。 それを食い止めようと高科から情報を引き出そうとしている。 そう考えると調査期間を延長したことに納得がいく。 もしかして゛漫画゛というのは掃除機を使った犯罪計画書のようなものなのではないだろうか。 そこに書かれているのはおそらくこんな感じだ。 第一段階は人を殺すことが出来るかどうかといった問題。 その実験が高科が起こした殺人ではないか? そして第二段階は今日高科が言ったように吸引口に触れればどんな場所でも死に至るような、そんな殺人的掃除機の開発。 だから私の質問に高科はどう答えれば良いのか戸惑った。 −−私はいったい何を考えているんだ。 しかし何となくつじつまがあうような気がする。もっと真剣に考えてみよう。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |