《MUMEI》

すぐに仲間らしい少年が二人入って来た。一人は普通の体格だが、もう一人はがっちりした体格の大柄な少年だ。
確か同学年で何度か見た事がある。
この間見た時は校庭でおとなしそうな
一人の生徒に三人で襲いかかり、笑いながら蹴りを入れたり、殴ったりしていた。
「な?」
おかっぱ眼鏡が同意を求めると、
「おいおい!これはまずいんじゃね?」と普通の体格。
「おいこら!学校の物を壊しちゃまずいだろ?」大柄な少年が、気の弱い生徒なら震え上がりそうなドスの効いた声で言う。
おかっぱ頭は相変わらず、この状況を楽しむようににやにや笑っている。
「どうしよっかなーー!先生に言いつけちゃおっかなーー!」
「あ!俺良い事思いついたぞ!」
「え?何々教えて!」
「口止め料五万ってどう?」
「そりゃいいやー!」

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