《MUMEI》

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
さあ、君のために月の光のセレナーデ
を歌おう♪♪
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
夢の中の愛の谷を夜明けまでふたりで
さ迷い歩こう♪♪
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


時折須佐男が
フォーー!と曲に合わない合いの手を
入れても、両親は咎める事もなく楽しげにダンスに興じ続ける。
須佐男はそのうちムーンウォークに飽きたように、今度はトロンボーンを吹く真似をしたりしながら、二人の周りを巡り歩いた。
細く開いた窓からは黄金色の夕陽が 射し込んでいる。
同時にカーテンを微かに揺らしながら、春先の気配を感じさせる温かい風が吹き込んでくる。

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