《MUMEI》
勘違いまたは後悔を使って。
オッス!
俺、《RED・CAT》っー暴走族のブッコミ隊長やってるタケっス!

夜呂死苦(何時の時代だよ)

まー冗談は置いといて、今日はウチの馬鹿アニキの話を聞いてくれ。


あれは、俺が高熱でダウンした日の話。

その日も集会があって、普通なら体調不良でフケルんだけど運悪く、その日は滅多に顔出さない総長が来る日だった。

RED・CATは、結構デカいチームでさ、何カ所に分かれて編成されてんだ。でな、総長は、順番に各チームの集会に顔を出すシステム。

だから、総長が来る集会には絶対参加が決まりなんだな。


『う゛…ぅっ』

俺はベッドから起き上がり特攻服に手を伸ばした、が力尽きた。


…た、立てない。


『タケ?なにしてんの?』

床に力無く、這いつくばる俺を見下ろして、アニキが言った

…見てわかんネェのかよ、馬鹿アニキ。いっこ年上のコイツ、弟の俺から見ても、得体の知れない変なヤツ。顔だけは、俺と見分けが付かないほど激似だが性格、行動は家族の俺らにも不明瞭。

普段なら絶対関わらないんだけど…高熱のせいだったのか?何故か、俺は、アイツに頼み事しちまったんだ、それも頭まで下げて…。


『…で、タケの代わりに集会とやらに行けばいいのか?』

『あぁ、俺の振りをしてくれればいいから…ゼッテー余計な事はするなよ!』

いつもの無表情なアニキに、特攻服を着せて集会へと送り出した。

そして俺は後悔する事になる。まさかアニキが…
…で、……な勘違いをするなんて。

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