《MUMEI》 パリーン!と言う音と共に紫外線照射マシーンの一つが破壊されると、あとはなしくずしだった。 狙撃するゾンビ兵の手で、残りの三つもすぐに破壊され、コンテナの周囲はあっと言う間に闇の世界に変わる。 「ベリグーーー!!でかしたぞ!この スナイパーは一階級特進確定じゃ!」 小高い丘の上、ゾンビ大将が赤外線機能の付いた双眼鏡を覗き歓声を上げる。 隣の部下を見ると・・・・・ 部下の肩から上が無くなっていた。 「な・・・・?!」 次の瞬間大将の頭も肩の上から消し飛ばされて、丘の下の闇の中へと落ちていく。 「ナムミョウホウレンソウ・・・・」 虎ノ介が剣を鞘に納めると、足下の 『ゾンビの死体』に軽く手を合わせる。 「戦争は先に司令塔を潰したほうが勝ちよ」 そのままその場所にあぐらをかくと、 懐から黒い液体の入った小瓶−こびん−を取りだし、ふたを開ける。 中身を掌に垂らし、自分の顔に塗りつけ始めた。 「・・・・て、何で俺はこんなおせっかいを焼いてるんだ?!」 「・・・・!・・・・!!」 「ああ、ああ!確かにお前の言う通りだよ。死体どもに襲われてる人間を助けりゃ、街の方向が聞けるからな」 「・・・・!!」 「はいはい!賢いよお前は!だが正義の味方の真似事は今回限りな!」 前へ |次へ |
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