《MUMEI》 フロアの一隅に目をやると、そこにはオーケストラの姿まで。 背を向けて指揮棒を振る太っちょの指揮者が、 須佐男のほうを振り返ると、赤ら顔に 人の良さそうな笑みを浮かべウィンクする。 いつの間にか蝶ネクタイにタキシード姿になった須佐男も、親指を立ててウィンクを返した。 その手には本物のトロンボーンが・・・・。 一巡して終了した曲を、今度はオーケストラと一緒に演奏し始める。 ここは・・・・何処−いずこ−? 虚空で巨大な円盤がゆっくり回転していた。 それは直径十キロはある、昔のレコードかCDのように見えた。 その巨大なレコードの上には、須佐男の暮らす街が乗っている。 今ナノマシーンが捉−とら−えたデジタル化された須佐男の意識は、そのようなものだった。 街の中心には柴親子のアパートがあり、 明りの灯る窓から虚空の彼方へと、 ムーンライトセレナーデのメロディが 流れていく・・・・。 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 前へ |
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