《MUMEI》
祭事
「あ〜〜、それにはけっこうふか〜い訳があるんやわ〜」

「………」

「………」

急にだまるタカとリン。あまりいい思い出ではないからだろう。

「別にオレたちも行きたくなかったわけではないんだがね?ただ先方に拒絶されて…」

「?」

オッサンがハテナ顔をしている。しょうがない、説明するか。

「あれは、1年前の祭りの日だった…」

浮かれていた、浮かれていたんだオレたちは。高校受験も終わりストレスから解放されたオレはそれはもうフリーダムだった。となりの家の飼い犬とマジ喧嘩できるほどに。(勝利、しかしお隣とは冷戦に突入した。)

そんな時期に行われる鎮魂祭、それは飢えに飢えたライオンの檻に塩ダレの牛タンをほうりこむようなものだったのだ。

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