《MUMEI》
再び親友へ
  〜江上視点〜


香奈の頬からも

雫が落ちていくのが分かった。

私は、香奈をじっと見つめている。

香奈は、頬から流れる雫を拭い

私に微笑んだ。

そして微笑んだまま

話だした。

「瑠衣のバカ・・・。

言うの遅すぎ!!

私だって

ずっと思ってたよ・・・。

"あぁ今瑠衣が隣に居たらな"とか。

"瑠衣と前みたいに

一緒にいたいな"とか。




何言ってんのよ!

私たちは

もう




"親友"でしょ。


これからも

私たちは

ずっと"親友"だよ。


今まで素直になれなくてごめん・・・。

ずっとずっと瑠衣に

謝りたかったの。

あの時のこと・・・。

本当にごめ「いいよ!

もういいんだよ!私、香奈のこと

責めてなんかないよ。」

私は、香奈が

謝ろうとするのを

妨げてそう言った。


香奈は、また目から

涙を零して

「瑠衣・・・・・。





"ありがとう"。」と言った。

そして私たちは

笑いあった。


西村くんのおかげで

私は、親友と仲直りすることができた。

たった1人の人間と

出会ったことで

私の人生は



・・・変わった。

私は、西村くんに

目には見えないものを

たくさん貰った。

勇気だったり

切なさや苦しみだったり

人を愛しいと思う心だったり・・・



私は、西村くんに出会えたことを

もっと大切にしようと

思えるようになった。


もちろん、香奈や実穂と出会えたことも・・・。


そして、

これから出会うであろう

沢山の人たちとの出会いも

1つ1つ大切に・・・




大切にしていきたいと思う。

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