《MUMEI》 from YouMiwaさんの答えに、目を見開かれる。 「必要………ない?」 必要が、ない? いら、ない? 確かに勝手に惚れさせると言って、気に入らないのなら、仕方がない。 だけど、だけど、それでも、信じられなかった。 「――――ごめん、なさい」 ぽつりとMiwaさんはなにかを口にした。 俺は上手く聞き取れず、「え?」と聞き返した。 「あ……、………ごめん、なさい」 ―――ごめん? ごめんとは、一体、どういう、ことなのか。 「ど、どうして………」 情けない言葉が零れる。 聞いたのは自分だけど、答えを聞きたくなくて、すぐに俯く。 否定される理由を聞くのは、ただ否定されるよりも、ずっと、ずっとずっと、辛いはずなのに―――― 完全無欠に、玉砕――― 「言い方が、悪かったです。今のは、間違い、です」 え………? 意味がわからなくて、顔を上げる。 間違い。 本当、だろうか。 それに希望を、乗せていいんだろうか。 「私、あなたのことが、今でも十分、好きだからです」 ………………え? 一瞬、自分の耳がおかしくなったんじゃないかと勘違いした。 俺の事が………好きと言った? 全力で頬を抓る。 「いたたたたたたた」 「大丈夫ですよ。現実ですから」 夢………じゃない。 現………実。 美羽の目は、嘘を言っていない。 耳まで真っ赤になってしまうほど、太陽のような、笑顔。 嘘のはずが、なかった。 いまいち釈然といかないところがあるけど、いつの間にか俺は、Miwaさんを惚れさせていた。 恋をしていた。 救っていた。 嬉しかった。 それはもう、涙が溢れるほど。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |