《MUMEI》
優しくしないで!
「え?」

貝瀬が指をさした方を目でおうと、私の足が。
よく見ると、膝が切れて、血が出ている。

「保健室…行こう。」

トクン、トクン。
少し、心臓の動きが速くなったように感じた。

翌日

「お前何可愛い子ぶってんだよ!キモいんだよ!」

「神君に手ぇ出してんじゃねーよブス!」

ドカドカッ。
私は思いきり蹴られた。
お腹




体が麻痺したように動かなくて…

ただただ、されるがままだった。

悔しい。
こんな思いをしてまで、生きてる意味があるのか…?

こんな疑問が生まれる。

「おい…!」

女達の動きが止まった。

「神…君…。」

なんとか目を開けると、そこには貝瀬君がいて。

「かい…せ、く…」
私が言い終わる前に、貝瀬君が言った。

「次こいつに手ぇだしたら…分かってるよなぁ?」

貝瀬君がそういうと、女達が

「やばっ!」
「行こっ」

と言って、走り去っていった。

「おい…だいじょう…」
「・・・めて。」
「え?」
「もうやめて!」
「・・・」
「私はあなたのせいで、もっと…いままでよりもひどいいじめを受けた…!」
「ごめん…」
「もう…優しくしないで…!近寄らないで…!」
ただの幼稚園児みたい…
八つ当たりだって分かってる。

でも…今、私がこんなことを言わなければいけないほど…苦しかった。

今の私に、大人になることは難しかった。

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